2013-11-21 牛を育てた教室③

 このドキュメンタリーの見どころは、牛のローラの子供の死産と、別れです。クラスメイトの一人一人に焦点をあてて、日記を読んでもらいます。その文章がまさに飾り気がなく小学生のそのままの思いを表していてとてもリアルでした。最も心に残ったセリフが「ローラからは牛乳はでる、みんな悲しい。」というものでした。今まで‘死‘の存在をリアルに接してきてなかった小学生にとってそれはとても残酷で生生しく彼らの記憶に刻みこまれたものになった事でしょう。

 命を大切にしよう、というのはどこの学校でも教えられる事です。しかし、この伊那小学校の教育ほどこの言葉を理解させ大切にしようと思わせた教育はなかったと思います。

 牛のエサ代で算数の勉強するなど、とてもこの教育は非効率であるのは確かでした。実際にこの小学校をでた生徒は他の小学校と比べると学力は低くPTAの中でも問題にされました。時代の流れにあった教育をしてほしいとする親の願いはとても自然であります。

 しかし、一言でこれを無駄だったと言ってしまうことは誰にもできないはずです。子供の心を育む事も大人たちの立派な役目なのですから。